十一、「葉護可汗(ヤプクカガン)達との宴会」

そして、酒とは別に三蔵法師には蒲桃奬(グレープ・フルーツ)を求めて、三蔵法師に捧げ、このようにして大宴会が始まったのでした。
酒杯は入り乱れてお互いに献酬(けんしゅう)を繰り返し、きんばい兜離(きんばいとうり:「きん」は「人偏に禁」、「ばい」は「人偏に夫」)という奏楽がかしましく演奏されるのでした。
この楽曲は蕃俗(ばんぞく)の音楽でしたが、宴会に参加していた人の耳目を存分に楽しませ、心を和ませるのでした。

そうこうしているうちに、更に食事が運ばれてきたのでした。
羊肉や牛肉の料理が、目の前に山の如く積まれたのでした。
可汗は別に三蔵法師には浄食(じょうしょく)を勧めるのでした。
ごちそうの内訳は、餅・飯・酥乳(ヨーグルト)・石蜜(さとう)・蜂蜜・蒲桃(ぶどう)などであふれんばかりでした。
さらに、グレープ・ジュースも出てきたのでした。
そして、可汗は三蔵法師に説法を請うたのでした。

そこで三蔵法師は、十善(不殺生(ふせっしょう)・不偸盗(ふちゅうとう)・不邪淫(ふじゃいん)・不妄語(ふもうご)・不綺語(ふきご)・不悪口(ふあっく)・不両舌(ふりょうぜつ)・不貪欲(ふとんよく)・不瞋恚(ふしんい)・不邪見(ふじゃけん))と物命(ぶつめい)の愛養(あいよう)、ならびに波羅蜜多(パーラミータ)(布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)の六波羅蜜多(ろくはらみた)により彼岸に達すること)が解脱の業であることを説いたのでした。

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