十八、「ダマルサンガとの邂逅」

ダマルサンガの尊敬のされ方は、ガシュガル(疎勒)やホータン(于「門構えに眞」)の僧でさえ、彼の令名が高くて敢えて討論はしなかったのでした。

三蔵法師は、彼の学問が浅いか深いかを確かめるべく、人づてに彼が経論や幾部を理解しているかを訊いてみたのでした。
彼の弟子はこのことを聞くと皆怒ったのでした。

ダルマは笑って、
「私は全ての経論を知っています。どうかご自由に聴いてください」
といったので、三蔵法師はダルマが大乗は学んでいないことを知り、わざわざ小乗教の『婆沙(ばしゃ)』などについていくつか質問してみたのでした。
しかし、ダルマはそれらの質問に対してうまく答えらなかったのでした。
そこでダルマは三蔵法師に感服し、その門人たちも皆恥じ入ったのでした。

それ以降、二人は喜んで往来をし、ダルマはあちこちで自分が三蔵法師に及ばないことを話したのでした。

まもなくして設(シャド)が即位したのでした。
そこで三蔵法師は道案内人と駅馬(えきば(「烏おおざと篇」洛))を求めて、更に南進してバラモン国へ向かおうとしていたのでした。

すると設(シャド)が、
「私の領内に縛喝(バクトラ)国(今のバルフ)という所があります。北はバクシュ河(今のアム・ダリア)が流れ、人びとは小王舎城(しょうおうしゃじょう)と呼び、非常に聖跡の多いところです。どうか師よ、しばらくそこへ行って観覧し、その後で乗物にのって南方へ行きませんか」
 といった。
〈『玄奘三蔵』(講談社)からの引用〉

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