三十、「ナーランダー寺 一」

その米は烏豆(くろまめ)よりも大きく、炊いてみると美味なことは他のいかなるお米よりも優れたものなのでした。

この粳米(うるちまい)はマガダ国にのみ産し、ほかの所では取れないのお米なのでした。
そこで、国王と博識(はくしき)の大徳(だいとく)に供するのみなので、マハーシャーラ米と言われる所以なのでした。

さらに毎月油三升(さんじょう)を支給し、バターなのは必要量が毎日供給されたのでした。
三蔵法師には清掃人(せいそうにん)一人とバラモン一人がおかれ、もろもろの僧の務めは免ぜられ、三蔵法師は外出には際には象の輿(こし)に乗ることを許されたのでした。

ナーランダー寺の僧や客僧は遥か外国に遊学して、しかもこのように優遇されたのでした。

ナーランダー寺とは施無厭(せむえん)寺の意です。
老人の話によると、この寺院の南にマンゴー園の中に池があり、その池にナーランダーという龍がいたので、傍らに建てた寺院をナーランダーというようになったということでした。
別の説によりますと、如来が昔、菩薩であったとき、大国の王となって都をここにおいて、貧者を憐れんで施しを行ったので、その恩を追ってこの地を施無厭と名付けたということでした。

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