三十四、「ナーランダー寺 五」

矩奢羯羅補羅(クシャーグラプラ)城の中にさらに周囲、三十余里の小城があったのでした。
カニカーラ樹がところどころで林を作り、いつも花開いて、一年中花が咲いていないときはなく、葉は金色に輝いて映えているのでした。

宮城の北門の外にストゥーパがある。
これはデーヴァダッタが未生怨(アジャータシャトル)王と護財(ござい)という酔象(すいぞう)を放って、仏を殺そうとしたところなのでした。
その東北方にもストゥーパがあったのでしたが、ここはシャーリプトラがアシヴァジット(阿湿婆恃)比丘の説法を聞いて仏法に帰依した所なのでした。
その近くの北方に大きな深い穴があったのでしたが、ここはシュリーグプタ(室利毬多、唐に勝密という)が外道の邪言に惑わされ、火坑(かこう)や毒飯で釈尊を殺そうとしたところなのでした。
この火坑の東北方の山城の角にストゥーパがあったのでしたが、ここはジーヴァカ(時縛迦)大医(たいい)が釈尊のために説法堂を作った所で、側に現にジーヴァカの故宅(こたく)が残っているのでした。

宮城から東北へ十四、五里ゆくと姑栗陀羅矩●「口篇に宅のウ冠を取ったもの」(グリドウラクータ)山(唐に鷲峯(しゅうほう)という、また鷲台という。一名霊鷲山(りょうしゅせん)。)があったのでした。

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