二十三、「シンハラ国の別の挿話 一」

アショカ王の弟マヘーンドラ(摩醯因陀羅)が奇蹟を示したことで、国人は彼を慕って伽藍を建て、その数は現在百余か所にもなっていて、僧徒も一万人おり、大乗および上座部の教えを行っているのでした。
僧侶たちは、真面目で戒律をよく守り、互いに努力を怠るものはいないのでした。

王宮の側に仏牙精舎(ぶつがしょうじゃ)があったのでした。
高さは、数百尺で多くの宝で飾りたてられ、上に表柱をたて、鉢曇摩羅伽(パドマラーガ)(蓮華色のルビー)の大宝石をその上端に置いてあるのでした。

その光輝は、空に映じて、晴れた夜に空に雲がなければ、万里離れていても見ることができるのでした。
そのそばにまた寺院があり、雑宝で荘厳(しょうごん)しているのでした。
内部には金の仏像があって、この仏像はこの国の先祖が造ったもので、髻(もどり)に一つの宝珠(ほうしゅ)があって、その価値は無量といわれているのでした。

あるとき、この珠を盗もうとした男がいたのでした。
ところが造りが堅牢この上ないので、なかなか内部に入れないのでした。
そこで、彼は、地中に穴をあけて地下から室内に入ろうとしたのでした。
しかし、仏像はなかなか背が高くて賊の手には届かないのでした。

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