十四、「三蔵法師、大王とともに論ずる会場へ」

三蔵法師は、冬の初めにハルシャヴァルダナ大王と共に、ガンガー河を遡って進み、十二月になってようやく会場に着いたのでした。
そこに集っていたのは、全インドのうち、慈雨八か国の王やって来て、大小乗に通暁(通暁)した僧三千余人、バラモン及び尼乾(にけん)外道二千余人、ナーランダー寺の僧千余人がやって来たのでした。
これらの諸賢はともに文義(もんぎ)に博通(はくつう)していて、弁才に富んだ人びとで、また、その議論を聞こうと思う人びとは、みなこの会場にやってきたのでした。

その他に、侍従(じじゅう)があり、あるいは象があり、あるいは輿があり、さらに多くの幢(はた)や幡(のぼり)が会場を取り巻いていて、それらは雲が起こり霧が湧くように、数十里の間に亙って埋め尽くされていたのでした。

六斉(ろくせい)の人びとの袂(たもと)を集めて、テントを作り、三呉(さんご)の人びとの汗を集めて雨を降らせても、その盛大さには及ばなかったほど多くの人びとがその会場に集まったのでした。

大王は先に勅(みことのり)を発していて、大会場に草葺(ぶ)きの会場をつくらせて、仏像と人びとが入る場所にしたのでした。
これらの会場は、三蔵法師と大王の一稿が到着するまでには出来上がっていたのでした。

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