十五、「会場の様子」

その草葺きの会場は非常に広く、おのおの千余人が中に座る事が出来たのでした。
王の行宮(あんぐう)は、会場のの四五里の所にあり、毎日行宮の中で金像一体を鋳(い)て、一頭の象の上に宝帳を施し、その仏像を中に納めたのでした。
ハルシャヴァルダナ王は帝釈天(たいしゃくてん)の姿を装い、手に白払(ほっす)をもって右側に侍(じ)し、クマーラ王は梵天(ぼんてん)の形を装い、宝蓋(ほうがい)をもって左側に侍し、みな天冠花髪(けはつ)をつけて、瓔(よう)を垂れ佩びていたのでした。

また、二頭の巨象に宝花をのせて、仏の後ろから気ままに歩かせて、法師や門師たちはおのおの巨象にのって王の後ろに従わせたのでした。
さらに三百頭の大象に、諸国の王、大臣、大徳をのせて、道の側に並んで称賛していかせたのでした。

人びとは毎朝早くから装束を整え、行宮から会場にむかい、会場の門でおのおの乗り物から降りて、仏像を捧げて会場に入り宝座を安置(あんち)したのでした。
それについで王は法師たちとともにまず、供養(くよう)し、その後十八国の王に命じて入らせ、次に諸国の僧の名声最も高く経典に通じた千余人を入らせ、さらにバラモン外道(げどう)の名高い者五百余人を入らせ、次いで、諸国の大臣ら二百余人を入らせ、その他の道俗は、それぞれ会場の外に座らせたのでした。

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