三十七、「達磨悉鉄帝(ダルマステイテイ)国、尸棄尼(シグニ)国、商弥(シャミ)国など」

達磨悉鉄帝(ダルマステイテイ)国は二つの山間にあり、ヴァクュ(縛芻)河に臨んでいました。
形が小さくでも健(すこ)やかな善馬を産します。
風俗は礼儀を知らず性凶暴(きょうぼう)で、形も醜悪で、目は碧緑色(へきりょくしょく)の人が多く、他の諸国とは違っていたのでした。
伽藍は十余か所にあり、その国都は昏駄多(カンダータ)城にあるのでした。
城内には先王の建てた伽藍があり、その中に石の仏像があるのですが、不思議なことに、上に雑宝で飾った金銅の円蓋(えんがい)があって、自然に空中に浮かんで仏像の上にかかっています。
もし人が、礼拝して像の周りを回ると円蓋もともにまわり、人が止まると円蓋も止まり、その霊妙なことは測(はかる)ることができないのでした。

この国から大山(たいざん)を越えて北方の尸棄尼(シグニ)国に行き、いったんダルマステイテイ国に帰ってから商弥(シャミ)国(今のチトラル付近)に赴いたのでした。

ここからまた東方に山道を進むこと七百余里で波謎羅(パミール)河(河谷の意)に至ったのでした。
この河は東西千余里、南北百余里で、二つの雪山の間にあり、葱嶺(そうれい)の中にあって風雪が吹きまくり、春夏になっても止まらないとのことでした。

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